本コラムの勧めで、『 ウォーキングを始めてみました! 』という方々の声を耳にしています。 たとえば、スタートから2カ月超のAさん、『 体重が3.5Kg減って、カラダが軽いです! 』 一方、1カ月半を迎えるBさんは、『 代謝が上がって、慢性の冷え性が良くなってきている 』皆さんそれぞれ努力の結果を実感され始めているようで、私もうれしく思います。
さて、今回でひとまず「 ウォーキング 」 は締めくくりとして、“ 効果検証 ” について触れておきます。
その13 「 自身を客観的に観る 」
前回、「 日々実行した内容を記録していきましょう。 」と提言しました。かく言う私も、過去長期に渡りデータを残してきています。
月間の走行距離、走る前後の体重と体脂肪率、カラダの部位別寸法、与件( “ 前日飲んだ! ”“ 体調風邪気味 ” など)の各項目です。
いずれも1カ月程度ではあまり意味を成さないデータも、1年2年と積み上げていけると、過去と現在の自分を客観的に比較が出来て大変興味深いものです。TOPアスリートが、自身の体調やトレーニング内容を日誌に残すことで自身の体調コントロールを図るのに等しく、これらの記録は将来大変参考になります。
実は私、過去に仕事のストレスから飲みまくり、一度体調を崩しかけた経験があります。この時、これを逆手にとって行った実験が「 このまま10Kg増まで体重を増やして、どれ位の期間で元に戻せるか? 」でした。
それまでも自己トレーニングは継続しており、カラダの特性とコントロール方法が分かっていたため、ゲーム感覚でシェイプUPにチャレンジした訳ですが、当初に立てた計算上の期間では12カ月だった予定も、実際に行うと想定外の制約に遅れをとり、元に戻すまで14カ月かかりました。以下その時の推移です。
1986.5.14 | 1996.4.17 | 2000.6.30 | 2001.8.31 | 2007.12.1 | ||
1、首囲(cm) | 不明 | 38.0 | 38.8 | 37.0 | 37.0 | |
2、胸囲(cm) | 93.5 | 97.5 | 105.0 | 97.0 | 94.0 | |
3、胴囲(cm) | 77.0 | 79.0 | 85.5 | 81.0 | 81.0 | |
4、尻囲(cm) | 不明 | 91.5 | 95.0 | 93.0 | 93.0 | |
5、上腕囲(cm) | (右腕) | 26.5 | 27.5 | 29.0 | 29.0 | 27.0 |
(左腕) | 25.5 | 27.0 | 28.5 | 28.5 | 26.0 | |
6、大腿囲(cm) | (右足) | 53.0 | 53.5 | 55.0 | 53.0 | 53.0 |
(左足) | 52.0 | 53.0 | 54.8 | 52.0 | 52.0 | |
7、下腿囲(cm) | (右足) | 35.0 | 36.0 | 37.0 | 36.0 | 36.0 |
(左足) | 34.5 | 35.0 | 36.3 | 35.3 | 35.0 | |
8、体重(kg) | 63.5 | 68.0 | 74.4 | 64.5 | 65.5 | |
9、体脂肪率(%) | 不明 | 不明 | 25.3 | 14.5 | 15.4 |
※図1/過去の体型推移
2000 .6 |
2000 .7 |
2000 .8 |
2000 .9 |
2000 .10 |
2000 .11 |
2000 .12 |
2001 .1 |
2001 .2 |
2001 .3 |
2001 .4 |
2001 .5 |
2001 .6 |
2001 .7 |
2001 .8 |
|
体重(kg) | 74.4 | 74.5 | 74.0 | 73.0 | 72.3 | 72.0 | 71.4 | 71.2 | 69.8 | 69.4 | 68.3 | 67.6 | 66.3 | 65.2 | 64.5 |
体脂肪率(%) | 25.3 | 23.6 | 22.5 | 22.3 | 21.7 | 21.7 | 21.0 | 20.6 | 19.8 | 19.5 | 19.0 | 18.3 | 16.8 | 15.6 | 14.5 |
走行距離(km/月) | 130 | 130 | 140 | 150 | 150 | 150 | 140 | 140 | 130 | 130 | 130 | 140 | 150 | 150 | 150 |
※図2/シェイプアップ中・14ヶ月の数値推移
上記はいわゆる “ 生データ ” ですが、この他にその時々のトレーニング内容も記録してあるので、どんなことをどの程度実行したかが詳細にわかります。今後また同じ試みをしようという時のヒントや、年齢ごとの変化などについても生涯に渡って比較できる訳で、大変楽しみです。
更に、上記と同時期に会社で受けていた健康診断の記録もひも解いて見ると、更に興味を惹かれました。体脂肪率や体型のみならず、トレーニングの開始前と翌年14ヶ月後の検査数値で、成人病に直結するコレストロール、中性脂肪、肝機能などの数値が軒並み改善していました。
そう。まさに継続は何にも勝る力、これが皆さんにしつこく運動をお勧めする最大の理由です。そのきっかけ・入口として、ウォーキングをお勧めしますが、要は何でもよいのです。『 始めてみよう! 』『 続けていこう! 』・・・この気持ちさえ持てれば、どなたでもごくごく気軽に、今日からでもスタートできるのですから。
その14 「 日々変わっていく自分を楽しもう! 」
もうひとつ、継続がもたらす効果に “ 気持ち ” の変化があげられます。痩せるため、鍛えるため、改善するため・・・最初はひとそれぞれ様々な動機・目的で運動を試みます。ただ、進めるうちにふと気づくのが、この「 気持ちの変化 」ではないでしょうか。
これは現在当院にご来院中の患者様の実例です。 Tさんのご来院のきっかけは膝の不具合でした。3年ほど前までは何の問題もなく、毎日30分程度の散歩を楽しんでおられました。それが突然のケガで膝を痛めたことから、歩くどころか立ち座りも思うようにできない状態に。病院での治療も芳しくなく、当然気持ちも日々落ち込みます。当院へのご来院はあくまできっかけに過ぎませんでした。
『 先生、とにかく前みたいに歩きたいんです。 』この言葉がTさんのカラダのスイッチを切り替え好転させました。
週1~2回の施術に合わせて、寝た姿勢からの下半身のリハビリエクササイズ → 座り姿勢での筋力アップエクササイズ → 立ち姿勢での抗重力エクササイズ →そして、ウォーキングエクササイズ と、実に8か月をかけて以前とほとんど変わらない状態まで復帰され、現在は以前と同様、毎日の散歩を楽しまれています。
いかがですか? 皆さんもケースは違っても似た経験をすでにお持ちなのでは?ひとは行動を変えることで気持ちが変わります。最初は “ しぶしぶ ” でも、徐々に変化していく自分に気づくものです。
数年前のTVCMでイチローが口にしていたセリフをご記憶の方も多いのではないでしょうか?
『 変わらなきゃ。 も変わらなきゃ! 』・・・好きですね、このフレーズ。行動を支えるのはもちろん気持ち、精神 = 心 です。でも、行動を起こすことから気持ちが変化していくことも多々あるのを私自身も実感しています。
興味を持つ → やってみる → 変化に気づく → 喜びを実感する → 更に興味を誘う
・・・こんな心地よさはどなたでも少なからず体験していると思います。
カラダが望む “ 快 ”原則に従えば、皆さんそれぞれが描く「 なりたい自分 」像に近づけるはず。日々心地よく変化していくご自身を楽しむ気持ちで、是非トライしてみてくださいね。
いつでも応援しています。
2007年12月 大澤