今月は足のメンテナンス “ 実践編その2 ” 。
ご来院される女性の皆さんの多くが悩まれる 「 むくみ 」 や 「 冷え症 」 。 過去の患者様のデータを統計的にみても、“ 膝下 ” 、 特にふくらはぎのむくみと足先の冷えを気にされるケースが多いようです。 一般的には、ふくらはぎの筋肉の緊張(固まり)によって血液やリンパ液の流れが滞ることでこれらの症状が出る、と言われます。従って、ふくらはぎのマッサージは非常に認知度も高く、皆さんも過去に一度はお試しではないでしょうか。
今回ご紹介するのはこの膝下のエクササイズですが、どちらかと言えば、足の裏面=ふくらはぎでなく、“ 表面=すね ” の部分に重きを置く内容です。ご存じの通り、カラダの筋肉はセットで働くようになっており、この意味ではふくらはぎのみでは片手落ちなのです。 皆さん、普段平坦な道や床を歩いていて突然つま先が引っ掛かり、転びそうになった経験はありませんか? こんな時、ほとんどの方が 『 なんだよ?! 』 と、地面の出っ張りや異物を探してみたり、靴底やスリッパの裏を確認したりしますよね?
・・・そう。 実はこんな時は、膝下の筋肉疲労がもとでつま先が必要なだけ上がらず、つまずいていることが多いのです。構造で見ると、つま先を上げる時に前面、すね部分の筋肉(前脛骨筋など)が縮み、下げる時に後面、ふくらはぎの筋肉(ひらめ筋、腓腹筋など)が縮んで働きます。 歩く際の足首の上下動作は無意識におこなわれていますが、これらの筋肉に疲労が溜まると、動き、範囲が低下してしまい、先のようなことになる訳です。
以下ご紹介するエクササイズは、膝下に疲れを感じたその場でおこなうのがよいでしょう。また、一日の疲れを癒すのに、毎晩お風呂の浴槽で温まりながらおこなっていただくと更に効果が上がりますのでぜひお試しを。
その20 実践編その2 「 膝下のエクササイズ 」
今回は若干コツが必要ですので、皆さんそれぞれの足の形状、筋肉の質などに合わせて工夫してみてくださいね。ではさっそく始めましょう。
●床(お風呂であれば浴槽内)に立て膝で座ります。
●前述の通り、足の前面の筋肉をメインにおこないますので、 まず “ すねの骨=脛骨(けいこつ) ” の位置を確認してください。
●すねの骨 が確認できたら、骨とすねの筋肉(前脛骨筋)の縦のすき間=へこみ に沿って両手の親指を立てた状態で押さえます。
●足首のすぐ上が開始&終了位置です。
●すねの筋肉を押さえ、上半身の体重を親指に載せながら、足首を起こす、伸ばす、の運動を 5回 おこないます。(足首を起こす時に上半身も起こして力を抜き、足首を伸ばす時に上半身を前に倒して親指に体重を乗せます。) ★ コツは親指の力でほぐそうとせず、上半身の重さをかけることでじんわりと押していくこと。慣れれば親指も疲れません。
● 親指の頭(一関節分)ずつ上にずらしながら、各 5回ずつ 足首に近い所から、膝のお皿の下までマッサージしていきます。すねの筋肉のゆるみ具合を確かめながら、下~上へとゆっくり 3セット おこなってください。
●続いてふくらはぎのマッサージへ。
今度はふくらはぎを 親指 と 手のひら で包み込むイメージで。先ほどと同様に、足首近く~膝下までの範囲を下→上の向かっ て 一ヶ所につき5回ずつ 足首を動かします。
(★ コツは 親指の腹部分 と 手のひら全体 で交互に縦横縦横とポンプ方式に軽く揉むこと。 足首の動きは同様です。)
今回はむくみや冷え性の皆さんにとお伝えしましたが、女性ではヒール、男性では革靴を日常的に履くことの多い皆さんにもおすすめです。これらの靴は足裏や足首の関節を固定しやすく、結果下肢の筋肉群に疲労を溜め、負担をかけてしまいがちな履物の代表格。
エクササイズ効果も下記が期待できますので、前回の 「 竹踏み 」 と合わせて続けてみてくださいね。
■足首、膝下の筋肉の動きを改善し、関節の可動域をあげる。
■血流を増加させ、下肢のむくみ・冷え性を改善する。
■下肢を中心に、リンパの流れを改善し、疲労を回復させる。
『 備えあれば・・・! 』 今日からの積み重ねで、明日以降の改善を目指しましょう。
2008年4月 大澤